いびき対策まるわかりガイド

いびきに悩む方へ:自宅でできる喉・舌の簡単エクササイズ

Tags: いびき, セルフケア, エクササイズ, 舌トレ, 喉トレ

いびきはなぜ起こる?喉と舌の筋肉との関係

いびきは、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなり、呼吸する空気が粘膜を振動させることで発生する音です。その原因は多岐にわたりますが、特に見過ごされがちなのが、喉の奥や舌の筋肉の衰えです。

年齢を重ねるにつれて、あるいは日常生活の習慣によって、喉の奥にある軟口蓋(なんこうがい)や口蓋垂(こうがいすい)、そして舌の根元(舌根:ぜっこん)の筋肉が緩みやすくなります。これらの筋肉が緩むと、睡眠中に重力の影響で気道が塞がりやすくなり、いびきが発生しやすくなるのです。特に、口呼吸をしている方や、日中にあまり口を使わない方は、これらの筋肉が衰えやすい傾向にあります。

この筋肉の緩みを改善することで、いびきの軽減につながる可能性があります。次の章では、自宅で手軽に実践できる喉と舌の簡単エクササイズをご紹介します。

自宅でできる喉・舌の簡単エクササイズ

いびきの原因となる喉や舌の筋肉の衰えには、日々の簡単なエクササイズが有効です。ここでは、手軽に始められる3つのエクササイズをご紹介します。継続することで、いびきの改善が期待できます。

1. 舌出し・舌回しエクササイズ

舌の筋肉を総合的に鍛えるエクササイズです。

2. 「あー」「いー」「うー」「べー」エクササイズ

口周りから喉の奥の筋肉までを刺激する、表情筋トレーニングのようなエクササイズです。

  1. 口を大きく開けて「あー」と発声しながら、喉の奥を意識して開きます。5秒キープします。
  2. 口を横に大きく広げて「いー」と発声しながら、口角を上げて頬の筋肉を意識します。5秒キープします。
  3. 口をすぼめて前に突き出し「うー」と発声しながら、唇と口周りの筋肉を意識します。5秒キープします。
  4. 舌を口から突き出して「べー」と発声しながら、舌の根元と喉を意識します。5秒キープします。
  5. これらの動きを1セットとし、5回繰り返します。

3. 軟口蓋の引き上げエクササイズ

喉の奥、軟口蓋を意識的に動かすエクササイズです。

  1. 口を大きく開けて、喉の奥が見えるようにします。
  2. 喉の奥を鏡で見ながら、「あー」と低い声で発声します。この時、喉の奥にある軟口蓋が上に引き上げられるのを感じてください。
  3. そのまま5秒間キープし、力を抜きます。
  4. これを1セットとし、10回繰り返します。慣れてきたら、発声せずに軟口蓋だけを引き上げる練習もしてみてください。

これらのエクササイズは、毎日少しずつでも継続することが大切です。朝の洗顔時や、テレビを見ながらなど、日常生活の隙間時間に取り入れてみてください。

エクササイズで改善しない場合:医療機関への相談も視野に

喉や舌の簡単エクササイズは、いびき対策として非常に有効なセルフケアの一つです。しかし、数週間から数ヶ月継続してもいびきが改善されない場合や、以下のような症状が見られる場合は、他の原因が考えられます。

これらの症状は、「睡眠時無呼吸症候群」のサインである可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、単なるいびきとは異なり、健康に深刻な影響を及ぼす場合があります。ご自身で判断せず、一度専門の医療機関(耳鼻咽喉科や睡眠専門外来など)を受診し、医師の診断を受けることをお勧めします。

セルフケアで改善が見られない場合でも、適切な診断と治療を受けることで、症状が軽減し、より良い睡眠を取り戻すことが可能です。

まとめ

いびきは、睡眠の質を低下させ、日中の活動にも影響を及ぼすことがあります。今回ご紹介した喉や舌の簡単エクササイズは、自宅で手軽に実践できる効果的なセルフケアです。継続することで、いびきの原因となる筋肉の衰えを改善し、静かで質の良い睡眠を取り戻す手助けとなるでしょう。

大切なのは、根気強く続けることです。そして、もしエクササイズだけでは改善が見られない場合や、他の気になる症状がある場合は、迷わず医療機関の専門家にご相談ください。ご自身の体と向き合い、適切な対策を見つけることが、快適な睡眠への第一歩となります。